総勘定元帳・仕訳日記帳

左側赤枠の【種類】帳簿のことで、具体的には弥生会計など会計ソフトで作った帳簿です。
上田事務所で印刷して決算申告後にお送りしてます。
税務調査の時くらいしか使わないアレです。
現在のやり方は、左側【保存方法】では[出力した紙]に該当し適法です。
さて、他の保存方法を検討します。

COM(電子計算機出力マイクロフィルム)

COM(電子計算機出力マイクロフィルム)とは、電子計算機を用いて電磁的記録を出力することにより作成するマイクロフィルムをいう(法2六)。

税務研究会 税務用語辞典

COMによる保存等

当然専用機械が必要ですし、いくら検索してもヒットしません。
利用している企業はほとんどないでしょう。
検討の余地なし。

オリジナルの電子データ

簡単に言うと会計ソフトのデータそのものを保存するということです。
今でも保存していますが、電子帳簿保存法に適合した形で保存する必要があります。
弥生会計でも適合した形のデータは作成可能です。
しかし、これが実務上無理があります。

・訂正削除の履歴が膨大になり、データの容量が肥大になる。
・古いバージョンのソフトを廃棄できない。

結論
・紙印刷のままとする。
・ページ数が少ない場合はPDF保存しておき、税務調査時に印刷も一考(厳密には不適格)。

実務上無理な理由

以下、詳しく説明しますが読み飛ばしてもらって結構です。

弥生会計のデータを電子帳簿保存法に適合したものにすると、訂正や削除の履歴が残ります。
上記にあるように1年分を遡って訂正するのは違法になります。
現実には決算時に勘定科目や消費税区分を遡って訂正することは普通にありますので、不適合という結果になります。
また、履歴によってデータ容量が肥大になります。

弥生会計で電子帳簿保存法に適合した形のデータを作ると優良帳簿と認められます。
しかし、いつでもそのデータをソフトで操作できるようにしておかなければなりません。
弥生会計は毎年バージョンアップがあります。
帳簿の保存期間は7年(繰越欠損がある場合は10年)ですから複数世代のソフトをpcにインストールしたままにしておかなければなりません。
もっと言えば、windowsのバージョンアップによって古いソフトが使えなくなると古いpcも捨てられません。

こういう問題はクラウド会計ならばクリアできるはずですが、残念ながら使い勝手が悪くて日々の入力作業に支障が生じます。
クラウド会計に共通する謳い文句が「初心者でも簡単」です。
裏を返せば慣れてくるとまどろっこしいということです。
最近はマネーフォワードやフリーがシェアを伸ばしていますが、クラウド会計でも弥生がシェアトップです。

個人事業主のクラウド利用率は26%